「これまでの雇用形態とどう違うの?」
この記事ではジョブ型雇用の概要やメリット・デメリット、メンバーシップ型雇用との違いなどについて解説していきます。
ジョブ型雇用とは
ジョブ型雇用とは仕事に人を割り当てる雇用形態です。欧米諸国ではこのジョブ型雇用が主流で職務定義書(ジョブディスクリプション)にて職務や勤務地、労働時間などを明確に示し、成果で評価されます。
ジョブ型雇用が注目されている背景
経団連が2020年1月21日に春季労使交渉の経営側の指針となる経営労働政策特別委員会報告で公表したポイントが下記になります。
年功序列賃金など日本型雇用制度の見直しに重点を置いた
海外で一般的な職務を明確にして働く「ジョブ型」雇用も広げるべきだと訴えた
出典 日本経済新聞「脱一律」で人材磨く 経団連、労使交渉変革へ指針
また新型コロナウイルス感染拡大を機に普及した在宅勤務の定着に向けた企業の動きとして下記のようなものもあります。
資生堂 2021年1月から少なくとも約8000人のオフィス社員を対象にジョブ型雇用に移行
富士通 20年度に課長級以上の管理職でジョブ型雇用を導入し順次拡大
出典 日本経済新聞 雇用制度、在宅前提に
「ジョブ型雇用」については随分前から検討されてきていましたが、このような流れに加え、テレワークで露呈された日本的雇用の弱点や責任・評価の曖昧さが浮き彫りになったことで改めて注目されています。
ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違い
欧米で主流のジョブ型雇用はジョブディスクリプションにて明記された特定の仕事(ジョブ)を得るという意識で働きます。決められた内容においての職務であるため限定的で同じ会社での昇給やキャリアアップのほとんどありません。
そのためスキルアップや好条件を求め転職をするので人材は流動的になります。
一方、メンバーシップ型雇用は多くの日本企業で見られる雇用形態で、「年功序列」「終身雇用」「新卒一括採用」などが特徴です。
また職務も労働時間も勤務場所も契約で限定されてなく、使用者の命令でいくらでも変えられる雇用形態です。
下記はジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の比較表です。
働く側におけるジョブ型雇用のメリット・デメリットは?
ジョブ型雇用のメリット・デメリットについてまとめました。
ジョブ型雇用のメリット
・長時間労働に繋がりにくい
・スキルと仕事内容のミスマッチが起きにくい
・専門性を高められる
・能力があれば年齢に関係なく重要な仕事に就ける
・同一労働同一賃金と親和性がある
ジョブ型雇用のデメリット
・スキルアップは自分で行う
・職務がなくなった際に解雇されやすい
・新卒や未経験者は仕事に就きにくい
・同じ職場内でのキャリアアップが難しい
日本はジョブ型雇用に変わるのか?
それに関しては経団連の大橋副会長がこのように述べています。
求められた技能などが不要になった場合に解雇するというようなアメリカのような「ジョブ型雇用」ではない
欧米で100年にわたって支えてきた「ジョブ型雇用」が情報通信技術の発達により崩れつつあります。そのため数年前から新しい就業システムについての議論が始まっています。
これから日本では大手を中心にジョブ型への移行が加速すると思います。しかしながら完全なジョブ型雇用ではなくメンバーシップ型雇用のいいところを残しながらというミックス型になるのではないかと予想しています。
まとめ:自分磨きを怠ってはいけない
おそらく日本でも「ジョブ型雇用」が増えてくると思います。
今後は定年まで同じ会社で勤め上げるということは少なくなるでしょう。
スキルや知識をつけ高度な人材を目指して自分磨きをしなければサバイブできない時代かもしれませんね。